甲斐駒ケ岳黒戸尾根日帰り登山



甲斐駒ケ岳(2967m)
中央道からよく見えるゴツゴツとした険しい岩場が連なるピラミッド型の山。
その形から信仰の山であり、伝統ある登山道の黒戸尾根は標高差2200m(五合目付近は登り返しがあるので実質累積標高2400m)。
登山を志す者として、日本三大急登の中でも一番キツイというこのコースは一度登ってみたいと思ってたので、2011年7月6日に挑戦してきました。


鳳凰三山(地蔵岳)より見た日の出直後の甲斐駒ケ岳黒戸尾根。
(途中凹んでるところが、五合目付近の登り返し。)
写真の右端から左端の山頂まで続くこの長大な尾根を日帰りするのは凄まじい労力を要しますが…。
クリアして得られる対価は大きいです!
こうやって他の山から眺めた時に、「この尾根を日帰り往復したのかぁ…。」と感動にひたれますよ。




↑羽田→大阪便から眺めた南アルプス一覧。
甲斐駒ケ岳が見事なピラミッドだとよく分かります。


注意
※当然のことながら無雪期限定。冬に登る場合はそれなりの装備が無いと死にます。
※8合目から上は容赦ない岩登りです。確実に三点支持が出来る方でないと危険です。
※標高差2200mの日帰りは、相当にキツイです。
  御殿場口から富士山を登れるだけの体力が必要。
  自分のコースタイム13時間はあくまで参考まででお願いします。
  無理そうならば途中の山小屋で1泊するのも大切です。

要するに、素人がいきなり登れる山ではありません。それなりの経験を積んだ上で挑戦してください。


7/5
21:00 : 竹宇駒ケ岳神社(尾白川渓谷駐車場)着
       仮眠
       

7/6
3:00  : 日の出前。まだ真っ暗な中から出発!
       今回は一度登山口を下見していたため、神社の脇をすりぬけて難なく登山口へ到着。
       
       今回は雨の中の登山。
       9時過ぎから晴れる予報だったし、予想天気図を見ても晴れるのは間違いなかったので、
       大雨だろうが無視して登り続けました。
       こういう長期戦を強いられるコースは最後まで足を持たせるのが最重要。
       焦らずに1時間で350mずつ標高を稼ぐペースでゆっくりと…。
      
6:00  : 刃渡りに到着(行きはずっとガスの中なので写真は帰りに撮影)
      
       スッパリと切れ落ちているものの
      
       鎖もあるし見た目ほどは怖くないです。
      
7:00  : 5合目着
      
       ココは鞍部になっており両側とも100mほど下った場所。
       帰り道、この登り返しがキツイ!!
      

7:50  : 標高2350m 7合目小屋に到着。
      
       湧水があるハズだったけど枯れていた…。
       (水を多めに持ってなかったら詰んでたので助かった。)
       
      
       落ちたら洒落にならん橋
      
       ロープ一本のみ。コケたらアウト。慎重に慎重に…。
      
9:00  : 8合目
      
       まだ山頂はガスの中だけど、岩に刺さってる剣からしてもこのルートが信仰の山だった事がよく分かる。
       
       
       やっと山頂が見えてきた。険しい岩山だとよく分かる。
       
       8合目から上は岩を登るのみ…。

10:00  : 登頂!
       
       
       
       明朝は雨だったので黒戸尾根側から登り切ったのは自分一人だけ。
       北沢峠側からはバスの時間関係でまだだれも登ってない。
       まさに山頂を一人占め。いい気分であります。

       
       北沢峠方面、北岳はガスって見えず。

10:15  : 下山開始
       
       下山中に北岳が見えた。

       
       登ってきた黒戸尾根。

11:30  : 7合目
12:35  : 5合目
13:30  : 刃渡り

16:00  : 下山!!
       
       神社にお祈りして帰宅。

休憩含めコースタイム13時間00分。
消費した水 2.5L
体力的には問題なかったけど、流石に累積2400mも登り降りしたら足が逝ってしまいました。
翌日がある場合はもっとゆっくり行動した方が無難なのかなとも思います。


この難コースを制覇した感動は大きかった半面、登山者が皆無だったのには若干危険を感じました。
もしも何かあっても発見が遅れるので、岩場や梯子では確実な三点支持が要求されます。
黒戸尾根は、十分な体力と経験と技量を詰んでから挑戦した方が無難であります。

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