GWの木曽駒ケ岳



GWの木曽駒ケ岳はまだまだ完全な雪山
ただし、この時期は天気さえ良ければ簡単に登れてしまいます。
天気図とにらめっこしてたら、ゴールデンウイーク初日が絶好の登山日和になりそうだったので突撃してきました。


注意
※12本爪アイゼンとピッケルは必須アイテムです。
 これがないと千畳敷へは入山できません。

※森林限界を越えると吹きっ晒しで天候が悪化したら逃げ場がありません。
 天候判断はくれぐれも慎重に…。
 無理なら引き返すのも大事です。

今年は北アルプスで遭難騒ぎが連続したので、私が判断に使った700hpa高層天気図(約3000m付近の天気図)も載せておきます。

↑2012年4月28日午前9時
・本州付近上空は湿数30度以上で完全に乾燥しきってる
・寒気も見当たらないから、雲ひとつない(文字通りガスすらかからない)素晴らしい天気になる。まさに登山日和。
・風も微風
誰がどう見ても天気が崩れる要素の無い日に日帰り限定なら、半袖でも楽勝で3000m級の雪山往復できるのですが…。


↑2012年5月4日午前9時。(北アルプスで大量遭難騒ぎが起きる直前)
・低気圧と気圧の谷
・湿数も3度以下で湿った空気
・風は基本的に等高線に沿って吹くから、その湿った空気が北アルプスにぶつかる。
 (地上天気図は同じ気圧を結んだ「等圧線」だけど、上空の天気図は700hpa面の高度を結んだ「等高線」)
・文字が重なってるけど、よく目を凝らすと若狭湾沖くらいに0度以下の寒気団もある。
・湿った空気の上昇と寒気の接近。雨→雪の最悪コンボになるのは確実。

気象予報士の資格なんて持ってないけど、両者の違いは一目瞭然…。
ゴールデンウイークという時間を優先してして天候悪化するのが確実な天気図で3000m級の雪山へ突入すると取り返しのつかない事になりますのでご注意を…。



2012
4/28
02:00 : 菅の台駐車場着。仮眠
       こんなにいい天気の連休なのに駐車場ガラガラでした…。
       
       6:50の始発バスを待っていたら…。
       
       長野県遭対協の補導員が登場。先日の航空写真を見せてくれて、宝剣はナイフリッジだから、絶対に登るなと指導中…。
       
08:00  : 始発ロープウエイ
       
       ロープウエイでいざ千畳敷へ

08:20  : 千畳敷
       
       素晴らしい景色だ!
       すぐにでも登りたいものの…。

       
       補導員が目を光らせてるので、登山届書かされて、12本アイゼンとピッケル確認されました…。
       (観光客も簡単にここまで来るので、関所設けて入山チェックしないと危険すぎるしねぇ)


08:25  : いざ出発
       
       空の蒼と白銀に見とれてしまう…。

       
       最近起きた雪崩のデブリ発見。
       道中落石も降ってきたし、景色に見とれているとヤバいなと。
       冬に比べりゃ危険度はカナリ低いとは言え、千畳敷は雪崩の巣。さっさと登るに限る。

       
       落石と雪崩対策で間隔をあけて登る人々。
       (南アルプスは霞んで見えない)

       
       あと少し。ココからカナリの急坂です。
       (夏道は曲がってるのに、雪を直登するのだからねぇ…)

09:20  : 乗越浄土着
       
       以前夏に来た時は、まだ登山初心者だったから息を切らせて登ったけど、今回はアイゼン履いてても全然楽勝!
       それだけ成長したってことですな。

       
       先行者がいたハズだが…。中岳へのトレースが見当たらない。
       まぁ視界良好だし雪山は自分でルートを探すのが基本だし、これだけ広けりゃ何処を登っても同じなのでとりあえず直登する事に。

09:40  : 中岳山頂
       
       中岳へ登ると御嶽山がハッキリ見えた!

10:10  : 木曽駒ケ岳登頂!
       
       山頂直下でこの爺さんに抜かれたから、今日の3番目か…。
       この爺さんは頂上木曽小屋の管理人とのこと。そりゃ抜かされるワケだ…。
       (今日は小屋開けの準備らしく、夏になったら是非泊まりに来てくれと言われた…。)

       
       御嶽と北アルプスバックに記念撮影

       
       少々霞んでるけど北アルプスも良く見える…。
       今年は大キレットを歩いてみたいものですな!!

       
       頂上にも人が増えてきたのでそろそろ下山へ

11:00  : 中岳山頂
       
       宝剣岳をバックに記念撮影

       
       とりあえず安全に行ける所まで宝剣へ近寄ってみようかと…。

       
       補導員が関所作成中
       ここから先はそれ相応の装備がないと入れません。
       
       
       三年前に宝剣岳へ登った時の写真ですが…。
       夏でも落ちたら500mは真っ逆さま。
       これに雪がたんまり付いてて鎖も埋まってると想像すると、冬の宝剣岳が如何に危険かは簡単に想像してもらえるかと思います。
       

       
       千畳敷への下り坂。
       角度がカナリあるから、高度感抜群。
       コレを直降するのはピッケルなしでは無理だ…。
       自分はココに来る前に金峰山登ったおかげで、アイゼンワークもしっかりできてたので快調に下山。

       
       オットセイ岩の所で補導員に捕獲されて厳しく指導されている人々。
       補導員の人が言ってたけど、ある程度は度胸で踏みだすのは大事なのですよ。ビビってると重心が安定しないから余計に危険。

       
       補導員の方。
       (ネットに大いに晒してくれと言われたので掲載…。補導員が見張ってるという宣伝も兼ねてるのかと)
       自分は降り方には何も言われなかったものの…。
       「一眼レフカメラをブラブラさせながら行動するな!」
       と指導を受けてしまいました…。
       コレは今後何かしら対策しないといけませんな。

       
       中央の青い服と帽子のオバサン。
       後ろ向きながら降りてるから遅い遅い…。
       そこまでビビらなくてもいいだろと…。

       
       ビビってる人々をさっと抜き去っていきました。
       近くにいるともしも落ちてきて自分に当たったら嫌だし…。
       (それに一応ココは雪崩落石多発地帯。こんなところはさっさと通過してしまうに限る。)

12:00  : 下山。
       
       霞が取れて南アルプス(甲斐駒〜聖岳まで)全部見渡せました!
       (本来なら富士山がこの後ろに見えてるのだけど…。帰り高速走ってると甲府でやっと見えだしたくらい富士山は霞んでた。)

蒼い空と白銀の世界を十分に堪能した半面…。
この景色の代償として雪に反射した強烈な紫外線をくらって、顔が日焼けで痛いです!
(しかもサングラスの部分だけ焼けてないという…)
GWに雪山へ行くには、顔の紫外線対策も必須だなと言うのが今日の教訓であります…。


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