北岳、間ノ岳登山
北岳。日本2位のピーク。
夜勤前の休みだったので泊まりで行って日本4位の間ノ岳も制覇して、ついでに高山植物も観賞しようと、欲張りな山行を計画しました。
北岳から見た間ノ岳方面への3000m峰の稜線
鳳凰三山観音岳から見た北岳と間ノ岳
中央の大きな雪渓が、今回登った大樺沢の雪渓です。
↑羽田→大阪便から眺めた南アルプス一覧。
北岳と間ノ岳の位置関係
注意
※当然のことながら無雪期限定。冬に登る場合はそれなりの装備が無いと死にます。
※(3000mクラスの山は10月初旬には雪化粧します。一般人が登れるのは7〜9月まで)
※標高1位の富士山に登れたから2位の北岳も登れるほど甘くはありません。
北岳へ登る場合は、それ相応の山岳知識を身につけた上でチャレンジしてください。
(山小屋がそこらじゅうにある富士山は特別なのです。富士山と同じ感覚で来ると痛い目を見ます。)
7/10
2:00 : 芦安駐車場着
仮眠
4:30 : 乗合タクシーで広河原へ。
夜叉神ゲートが開くのが5:20。結局これまで待たされます。
無理して乗合タクシーの一番乗りにこだわらなくても、始発のバスが出発する時間までに乗車すればOK
5:50 : 登山届を提出して広河原を出発
いざあの頂へ(人が多くて橋が揺れてブレ写真しか撮影できなかったので、コレは帰りに撮影したヤツ…。)
7:30 7時半頃。樹林帯突破して大樺沢の雪渓が見えた。
登りは雪渓の状態がよく分からなかったので、
雪渓の脇を巻いて登った。
どうしても横断しなければいけない場所は横断したけど…。
クライミングのメッカ北岳バットレス。
ただし昨年ルートが大崩落したのでクライマーはだれもおらず…。
大崩落の岩が大樺沢を直撃して死者も出てるので、自分も落石には十分注意して雪渓横断していきました。
(※雪渓上を転がる落石は音がしません。夜間及び霧等、要するに視界不良時に雪渓を通行するのは大変危険です!)
9:30 : 八本歯のコルを通過し
山頂まであと少し
10:30 : 北岳山頂着!
ずっと登り続けてきたからキツそうな顔してるなと…。
次は向かいの間ノ岳まで縦走!!
北岳山頂付近はハクサンイチゲのお花畑!!
キノコ雲状の積乱雲を被った富士山
こっちも雷になる可能性があるなと。さっさと行動するに限る。
12:30 : 中白根山着
中白根山から北岳方面
3000m峰々を繋ぐ稜線の縦走は気持ちいいものです。
13:30 : 間ノ岳山頂着!
ずいぶんとガスって雨もパラついてきたので長居は無用と即Uターン。
その直後…。
目の前で稲妻が炸裂
いやはや本では読んでいたけど、ホント、3000mの稜線だと稲妻が自分と同じ目線だから洒落にならない恐怖だなと。
さてどうする??
と考えてみたものの、こんな岩だらけの稜線で退避したところで、あんまり意味ないし、
見たところさっきのは雲間雷。地上が帯電してストックや岩が振動している兆候はまだないので、さっさと雨の中を突っ切るべしと判断!
(3000m級の岩場の稜線だから対地雷になったら逃げ場がない。雷の発生源から一番近い場所にあるものへ手当たり次第に落ちる。
岩陰に退避しても迷走電流がきたらアウト。助かるか助からないかは運を天に任せるロシアンルーレット状態だから…)
14:30 : 命からがら北岳山荘到着
雨の南アルプスとはよく言ったもので、あれだけ午前中快晴でも13時過ぎにはこうなるのだから、早出早着は必須だなと。
今回はいい教訓になりましたよ。
17:30 : 夕食後…
北岳の脇にかかる虹を眺め
お月さまに届きそうな積乱雲を眺め、眼下のゴロゴロを聞きつつ
仙丈ヶ岳方面の夕日を眺めてから就寝。
7/11
4:00 : 目覚めると…窓の外に見事な富士山!!
急いで防寒着を着こんで、カメラを持って飛びだしました。
4:35 : そろそろ日の出の時刻
北岳の脇から御来光!!
御来光直後の富士山!!(壁紙サイズです)
いやはやこの写真が撮れただけでも苦労して登ったかいがあった。大満足!!
5:00 : 朝食食べて出発準備
宿泊した部屋より。
こんな景色の部屋に住んでみたいものですよ…。
それにココは日本一の富士山、2位の北岳、4位の間ノ岳が同時に見られる!
(北岳山頂まで行けば、3位の奥穂と5位の槍も見える)
なんて贅沢な場所なんだと…。
5:30 : 出発。
小屋で話を聞く限り、この崖っぷちのトラバース道の岩場にキタダケソウが一輪だけ咲いているとのこと。
注意深く見ながら進んでいると…。
ついに発見キタダケソウ」!!
時期的に無理かと思ったけど、感激であります。
似たような植物が多いから、キタダケソウを探すのは本当に苦労しましたよ。
↓似たような植物たち
ハクサンイチゲ
チョウノスケソウ
6:20 : 八本歯のコル到着
ここからキビシイ下りの始まり
7:00 : 八本歯下、大樺沢の雪渓到着
本来なら雪渓の上は、落石、穴、雪崩等々のリスクがあるから通行は最小限にすべきなのだけど…。
登ってくるときに、雪渓の下半分は穴だらけだし亀裂もあって全層雪崩寸前なものの、上半分は問題ないのを見てた。
楽して降りたいという誘惑には勝てず、アイゼン装着して上半分の雪渓を直降。
おかげでだいぶ足の負担をやわらげられた。
10:00 : ようやく下山
↑帰りの乗合タクシーの中から
あれだけ晴れてたのに、もう雲の中だ…。
地形的に南アルプスは雨が降りやすいと言われているのは本当なのだなと実感であります。
日本2位と4位のピークも踏めて、キタダケソウも見られて、朝焼けの富士山も写真に収めて大満足な半面、
3000m超えの岩の稜線で雷につかまったのは今回の大反省点。
少しでもヤバいと感じたら、早々に引き返す決断も大事なのでしょう。
南アルプスは昼過ぎに夕立がきて当たり前と思って、今後はもう少し余裕を持った登山計画を立てようかと思います。
北岳はその気になれば日帰りも十分可能ですが、みなさんも夕立と雷だけは十分注意して登山してください。