地蔵岳 オベリスク



鳳凰三山 地蔵岳 オベリスク

槍ヶ岳ほど目立ってはないにしろ、近くから見ると十分に大きいその見事なまでの風貌には、一度登ってみたくなるものです。

深田久弥の日本百名山にも
「地蔵仏は高さ約18m、きわめて印象的なオベリスクで、甲府盆地からでもよく注意すると認める事ができる。それは、鳳凰山のシンボルのように立っている。」
と書かれているくらいですし…


注意
※オベリスクの登り方は、ネットを探せば色々出てきます。
 詳細はそちらを参考にしてください。
 
 ここには、奥穂〜西穂みたいな場所を歩いていても、登ると危険と感じて一度は諦めた私の率直な感想を記します。
 
 
       
       ↑
       2012年6月。
       鳳凰三山縦走の際に立ち寄ったものの、どこに足を置いていいかワカラン。
       残置ロープに頼って腕力だけで力任せに登れない事もないだろうけど…。
       運よく登れたとして、こんないつ切れるかワカランロープを頼りに降りるなんて危険すぎる…。
       との判断で撤退しました。


       時は流れ…。
       山岳会に入り、多少はクライミングの訓練もしたので、今なら登れるだろうとリベンジする事に。

2015年8月25日

5:00  :  青木鉱泉出発

       道中、殆どガスの中なので写真はありません。


8:40  :  鳳凰小屋
       道中の滝は3年前にじっくり鑑賞したので、今回は滝を無視して直登。
       前回4時間20分費やした道のりを3時間40分か。上出来であります。
       
9:30  :  賽ノ河原到着
       ココの登りは砂地だからしんどい…。(降りるのは楽だけど…。)
       
       
       ↑ガスってるから写真はありませんが…。
       GPSログのようにオベリスク西側を登り、北側へ回り込むと、頂上直下の岩の下へ通じる穴があります。
       ザックを背負ったままでは穴を通過できなかったので、穴の手前でザックを下ろしてクライミング装備装着
       (GPSもザックの中なので、ここから先のログは取れていませんが…。)

       
       ↑背負ってきた装備一覧。全部で約3kg
       クライミングシューズ
       ハーネス
       9mmロープ20m
       ATC下降器
       安全環付きカラビナ×3
       カラビナ×2
       スリング×2
       (セルフビレイ用と、ATC下降器装着の際に落とさないようにするための保険用)
       簡易ザック
       (カメラとロープを背負う為用)


9:50  :  いざ登り始め!

       やはりクライミングの訓練をした事と、クライミングシューズの威力ってのは凄く、わずかな岩の凹みでも全然体重がかかるので、
       千切れそうなロープに全体重を任せる必要もなく、気が付いたらもう頂上手前。
       何故これが3年前は登る事ができなかったのかってくらい拍子抜けであります。
       
       (※あくまで経験と装備があるからであり、懸垂下降で安全に降りる事ができるという精神的な安心感も相当に大きいのですよ。
        登山靴でクライミング装備無しだと、やっぱり危険です。簡単に登れると勘違いされないよう、くれぐれもご注意を…。)


       
       ↑上部の支点。
       ココの岩を乗り越える際は、万が一があったら怖いと感じたので、残置のカラビナにセルフビレイ取って乗り越えました。

       
       ↑オベリスクの天辺から見下ろした感じ。
       (奇跡的に登った時だけガスが切れた!!)
       下にいる人から高さが分かってもらえるかと。
       
       (※下にいる人は山小屋の人で、2015年9月には、一旦残置ロープ等々撤去するそうで、そのために下見に来たとの事。
         自分がちょうど登っていたので、上部の支点に何がついているのか偵察をお願いされました。
         近々登る人はご注意を…)

       
       ↑賽ノ河原方面

       
       ↑甲斐駒ケ岳

       
       ↑富士山
       この右側からきているガスに包まれて、あっという間にまたガスってしまった。
       長居は無用と懸垂下降の準備へ。

       (※ セルフビレイとってるし、クライミングシューズだからなんて事ありませんが、
        降りる為に岩から身を乗り出す時は、登山靴だとロクな足場も無いワケで、ムチャクチャ怖いだろうなと感じました。
        ホントに残置ロープに体重をあずけるしかありません。)


       
       ↑セルフとって、カラビナにロープ通して、すっぽ抜けないように末端処理して、下降器にセットして、体重掛けて大丈夫なの確認して、セルフ外す。
        何度も繰り返し訓練したおかげです。
        下降中は片手を離すと墜落だから、こんな写真1枚取るのでも難しい…。


10:10  :  無事に降りてきた。
       
       ↑降りたらもうこんな感じでガスだらけ。
       夕方には雨の予報なので、装備を撤収して下山開始


10:30  :  賽ノ河原
       無事に降りてきた。
       

10:45  :  鳳凰小屋
       砂地だからムチャクチャ早い…。
       ただ、ココから下は延々としんどい下りが続く…。


13:30  :  青木鉱泉着
       駐車料金750円払って帰宅



ネット上を探すと、クライミング装備無しで登ってる記録も多々見られますが…。
私個人の意見としては、やはり登山靴だけで登るのは止めておいた方がいいかと思います。

登るのはいいとして、降りる際に岩から身を乗り出す時の怖さは、相当なものかと。
(万が一手が滑ったり、力尽きたり、残置ロープが切れたりしたら…)

妙義山の鎖場でも手を離したら死ぬなと感じましたが、妙義山の場合、鎖はしっかりとしてますし…。
オベリスクをクライミング装備無しでは、精神的な面でも断然怖いです。

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