谷川岳、3月の天神尾根往復



3月の谷川岳
積雪4mもあり、気象変化の激しい上越国境ですので、それなりの天気の知識、山岳知識と装備が無ければ登れませんが、尾根地形で雪崩も無いので、天気さえ見誤らなければ最高の景色を拝む事が出来ます。
2014年3月24日、自分の休みの日に丸一日快晴が期待できる天気図となったので登ってきました。


注意
※丸一日快晴で風も微風という日を選んで出発していますが、この時期、滅多にこんな日はありません。
 上越国境はちょっと風向きが変わるだけで、天候が急変する可能性もありますので、それに耐えられるだけの装備は必須です。
※雪庇を見抜く能力、万が一トレースが消えても確実に帰投できる能力(もしくは登山用GPS)は必須です。
※前爪付きアイゼンとピッケルは必須です。
※今回は一切ラッセル無しの時間です。雪の状態で時間は大きく変化しますので、必ず余裕を持つ事を忘れないようにしてください。
要するに、素人がいきなり登れる山ではありません。それなりの経験を積んだ上で挑戦してください。


7:00  :  水上IC。
       本来ならIC近くの道の駅に車を止めて、バスに乗り換えるつもりだったけど、標高500mのインターを出た時点で外気温4℃
       これならあと200m登っても氷点下ではないし、路面も乾いている。これってノーマルタイヤでも行けるかも??
       (ヤバかったらチェーンつけるなり、引き返すなりすればいい)
       
       無事にロープウエイ乗り場到着。おかげで予定を1時間早める事ができた!

8:00  :  ロープウエイ乗り場
       
       ↑積雪440cmでアイスバーンか。

       
       ↑一番乗りのロープウエイでいざ出発!
       目の前の白毛門が綺麗ですな。そのうち登りにいきたいです。

8:15  :  
       ↑天神平到着
       いざあの双子の耳へ!
       看板によると、登山者はロープに沿って歩いて下さいとのこと。

       昨日の朝まで雪だったので、トレースは無い。
       1番乗りなので、トレースがあったであろう場所を予測しながらアイゼンで登っていたけど、外れると思いっきり潜る…。
8:35  :  
       ↑そして、ロープに沿えと言われたものの、これだけ潜るならさっさと吹きさらしで固められている稜線へ出た方がいいだろと、無理やり稜線方面へ。
       (このちょっと手前は稜線が若干雪庇気味だった。登るならここだなと判断。)
       この写真は帰りに撮影したけど、みんな自分のトレースを追ってきてて笑いました。

      
       ↑このあたりのGPSログ拡大図
       
8:40  :  
       ↑稜線到着。
       一番乗りなのでトレースがないから、ライン取は慎重に。
       地形図と景色を照らし合わせて、雪庇の位置を確認。
       雪山一番乗りは、考えながら登らないといけないので、これはこれで面白いです。

       
       
       ↑地図で言うと1460mピークの下りがちょっと怖かった。
       自分の後続が最初のピークから山スキーで滑り降りて追いついてきたけど、流石にここではスキー板外してました。

9:10  :  
       ↑熊穴沢避難小屋(があるであろう辺り)

       
       ↑某所から無雪期の写真を拝借
       無雪期の写真を見るに、この茶色い棒は小屋の屋根の位置にある。
       と言う事は、自分は今屋根の上に立っているのか…。
       積雪4mときてピンとこなかったけど、この写真を見ると納得せざるを得ないですよ。

       
       ↑人がいたから、アレ??自分が一番乗りでは??と思い近寄ってみたら
       小屋の裏手あたりであろう場所に、立派な雪洞が掘ってありました。
       
10:15  : 
       ↑小一時間ほど尾根を登って、肩の小屋の案内版到着
        このあたりはアイスバーンで、しっかりとアイゼンが食い込むので潜ることもない。
        快適に登ってこられました。

10:20  : 
       ↑トマの耳到着!
       天神尾根からの一番乗り!

       
       ↑このあたりの山域は疎いので、山の名前はよくわからんけど、絶景ですな。

       
       ↑オキの耳方面。
       森林限界越えるまでは樹木が目安になるけれど…。
       稜線のオキの耳とトマの耳間はすさまじい大きさの雪庇が発達していてたので、かなりの安全マージンをとって、新潟寄りを歩きました

10:35  : 
       ↑オキの耳到着!
       山標の裏側はエビの尻尾だ。

       
       ↑無雪期には、躊躇なく崖っぷちに立って、谷川岳の大絶壁を見下ろしていた私ですが…。

       
       ↑今回はこれ以上無理ですよ…。
       恐らく地面があるのは山標から1mくらいのハズ。
       さすがに雪庇との境界がワカランから、コレ以上は足を踏み出す勇気は無い…。

       
       ↑トマの耳に人が来たなと。記念撮影してほしいからこっちに来るまで待つか…。
       (流石に吹きっ晒しで立ち止まっていると寒いから、防寒着を装着)

       
       ↑記念撮影

       

       
       ↑トマの耳直下。
       このひび割れが雪庇との境界線か??
       ちょいと左に足を踏み込んだら確実に足元の雪ごと数百メートル落下ですよ。  
       快晴だから踏み込まなければいいだけだけど、ホワイトアウトした状態とかだと、この状況は泣きたくなるでしょうな。

       
       ↑トマの耳に戻ってきて記念撮影

       
       ↑昼食の準備をしていたら、雪虫発見

11:30  : 
       ↑いざあの天神平まで帰途へ。

       
       ↑それにしても、この日差しで斜面はしわだらけ。全層雪崩寸前じゃないかと。
       こう言う日は谷へ絶対に足を踏み入れてはいけませんな。
       (この状況下で全層雪崩を喰らったら自業自得でしかないと思う)

12:35  : 無事到着。ロープウエイへ
       
       ↑帰りのロープウエイから見つけた面発生全層雪崩の跡
       案の定雪崩が起きてたか…。
       (どういうワケかロープウエイが緊急停止して5分ほど宙づりになったので、ゆっくりと撮影できた。)


       
       ↑本日のGPSログ

念願だった積雪期の谷川岳に登れて大満足。
いやはや、自分みたいなヤツでも積雪期の谷川岳に登れるのだから、
やっぱ登山に重要なのは、知識と道具と体力と天気を味方につける運だなと思います。

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