荒川三山+赤石縦走
悪沢岳(3,141m)、 赤石岳(3,120m )、荒川中岳(3,083m)
日本の3000m峰21座のうち、登っていないのは残すところこの3座のみ。
3000m峰全制覇のために2013年8月21日から2泊3日でこの3山を登ってきました。
写真は年末帰省時の羽田→北九州便から見た荒川三山と南アルプス。
南アルプスは山の一つ一つが大きくて、しかも一直線に並んでいるので、登っても前後の山しか見えないというのも、
こうやって空から眺めてみるとよく分かります。
注意
※上記写真を見ると、南アルプスの中でも、荒川三山付近は人里離れたとんでもない山奥だと分かってもらえるかと思います。
基本的に道は明瞭なので、遭難する事はないと思いますが…。
もしもガスにまかれて現在地をロストしたら、人工物など山小屋くらいしかないこの山域で、復帰は絶望的。
登山の際は必ず地図とコンパスを持参してください。
※2日目に千枚小屋から赤石小屋まで辿りつくのは、それなりの脚力と天候判断が必要となります。
危険を感じたら、赤石岳避難小屋、または荒川小屋で宿泊した方が無難です。
8/21
1:00 : 相模原出発
圏央道の開通で東名を利用するのが物凄く楽になった。
厚木から乗る予定ならもう30分早く出発せにゃならんし。
2:45 : 新静岡IC
降りてしばらく走ると幅1車線の林道
途中…。前方右脇にカモシカ発見。
うんともすんとも避けないので、無視して通過しようとしたら、ドカっと音が…。
あれだけ動かなかったのに車に当たってくるとか、当たり屋かと。
停止して確認したけど、幸い徐行してたから傷は浅かった…。
(今後は、クラクション鳴らしても避けない鹿に遭遇したら、石でも投げて実力行使せにゃならんなと…。)
5:00 : 畑薙第一ダム臨時駐車場着
夜の峠道は鹿の飛び出しが何より怖いので、光る鹿の目に注意しながら速度を落としていたこともあったけど、
インターから70km以上。2時間もかかるとは…。ホントにここはとんでもない山奥だ。
6:00 : 臨時バスを期待してバス停へ並ぶも…。 結局臨時バスは無し…。
(下山した日は金曜だったこともあり7:00の臨時出してた。人が多そうな時は臨時便が出るのかなと)
7:45 : バスが満員になったので定刻の8時前に出発
南アルプス南部の山は東海パルプの社有林。
そこで山小屋を経営しているのが、子会社の東海フォレスト
あくまで山小屋を利用する人達を送迎するという名目でバスが運行されているので、山小屋に宿泊しないと乗れません。
乗車時に前金3000円支払い。これを宿泊時の山小屋代に充てられます。
バスの運ちゃん曰く、次の荷揚げは25日。
それまでビールが不足している小屋もあるのでご了承くださいとのこと。
勘弁してくれ〜!!と思ったけど、結果的に千枚小屋と赤石小屋では購入できたので助かった。
8:45 : 椹島到着
道中ほとんど砂利道。
揺られまくってきっちり1時間かかった…。
登山口
ココから千枚小屋まで標準タイム5時間程度だけど…。
どうも地図とGPSを見比べていると登山道が付け替えられたようで、道が違う。
余計な登り返しがあったおかげで、余計に時間を食ってしまった。
12:00 : 清水平到着
無風で汗ダラダラだから、湧水は本当にありがたい。
木の合間から悪沢岳が見えた。
意外と山頂はゴツゴツしてるっぽい。
14:20 : 千枚小屋着
この小屋は最近火災で焼けおちて建て替えられたので、まだ真新しいです。
早速ビールがあるかの確認!
無事にあると分かって一安心。
晩飯。山の上でこれだけ食べられれば十分!
富士山を眺める。
夜になると関東地方は大雨だったようで、ピカピカと雷の光が良く見えた。
天気図を取得し分析した限り、天気は持って8/23の朝まで。
8/24は前線が南アルプスに重なって危険な状態なので、8/23までに下山する事に。
となると翌朝は早朝出発して、なんとしても昼過ぎまでに赤石小屋に到着せねばならんなと。
8/22
3:50 : 千枚小屋出発
4:30 : 千枚岳
真っ暗な中でガスなので、縦走路がワカラン。
日の出まで待機しようかとも思ったけど、GPSを手掛かりに辺りを探ると道を発見!
5:10 : 荒川丸山
御来光の時間だけど…。
ガスってなにも見えん。
ゴツゴツした岩場を通過して、
あれが山頂か??
6:00 : 悪沢岳(3,141m)着
これで日本の3000m峰19/21制覇!あと二つ!
ちなみに山標は「荒川東岳」となっていますが、深田久弥の日本百名山の本には、
「国土地理院の地図には東岳というありふれた名前がついているが、この山は悪沢岳でなければならぬ!」
と書かれているので、自分も悪沢岳と呼ぶ事にしています。
荒川中岳方面へは一旦2920m辺りまで降ろされる。
ガスが切れて中岳非難小屋から登ってきた人が見えた。
3000m以下は時々ガスが切れるようで、塩見岳方面が見渡せた。
だけど…。東北地方南部に前線があるせいで、稜線は凄まじい風ですよ…。
荒川中岳避難小屋が見えてきた。
7:00 : 荒川中岳(3,083m)着
これで日本の3000m峰20/21制覇!あと一つ!
7:10 : お隣の荒川前岳へ
山頂は崖っぷち。小渋川へ向かって山が崩落している「荒川大崩壊地」
南アルプスは地質が悪いから、ココに限らず崩落しまくってるところが多い。
登り出して景色をみて分かったけど、ココにリニアのトンネル通すのは、物凄く大変だろうなと…。
荒川小屋へ向かう途中から見た赤石岳。
8:30 : 荒川小屋着
飯を食べて10分ほど休憩
9:00 : 大聖寺平
小渋川の渡渉を20回ほど繰り返し、ここまで登ってこられるらしい。
他の人の記録を見ても、流石にコレは危険をともなうのでやりたくないですな。
大聖寺平から見た荒川大崩壊地
V字に山が切れこんで、山頂から落ち込んでいるのが分かる。
登って、また3000m越えた。
アレが赤石岳かと思いきや
小赤石岳だった…。
赤石岳はもうチョイ先だ!
10:30 : 赤石岳(3120m)着
これで日本の3000m峰21座全制覇!
山頂でくつろいでいると、悪沢、中岳方面のガスが切れた!
先月登った聖岳方面
11:00 : 出発
あの尾根の先の小屋まで行くのか…。
ここもまた地図とGPSの軌跡が違う…。
だけど、逆にこっちはありがたい方。
地図の道だと100mは登り返さにゃならんかったのに、尾根の脇を通っていけたので、登り返し無しでした。
13:20 : 赤石小屋着
荷物の整理をして、山小屋の主人と話していると…。
「今(14時)から上までどのくらい時間かかりますか?」
と聞いてくる登山者が…。
主人は
「ココまで5時間かかってるのなら、あと3時間かかります。
だけど16時半までに着かないと危ないですよ」
と返答していたけど、登山者は登って行ってしまった。
「何で引き止めないのですか?」
と主人に聞いてみると…。
「ああいう人に注意すると知識の無さを指摘されたと感じて逆ギレされるから、放置しておくしかない。山は自己責任」
との事…。
やっぱり農鳥小屋のオヤジみたいにきちんと怒ってくれる人の方が、登山者の命を守ってくれるという点ではありがたい存在なのだと実感ですよ…。
こんなに黒い雲がわいているのに登っていくとか、正気の沙汰ではないのにねぇ…。
晩飯。豚の生姜焼きは旨かった。
赤石小屋のトイレ。(ブレてますが…)
「尽くしたのに私は捨てられヘリ下山。せめてヘリ代払ってね…。」
ココのトイレは汚物タンクごとヘリで降ろしているのか…。
千枚小屋から赤石小屋まで1日で歩いてこられるのはよっぽどな健脚者のみ。
実力を認めあうっていう意味もあるのか、夕食後は、前日見かけた顔ぶれで話が盛り上がりました。
中央アルプスでの韓国人の死亡事故の裏話とか聞けて面白かったですよ。
8/23
どうやら朝のうちは天気が持ちそうだと。
5:30 : 下山開始
延々と樹林帯の中を降りて
8:20 : 椹島到着
この階段が赤石方面の登山口
神社にお祈りして、
10:30のバスを待っていると、ヘリがやってきた。
へりのローターが回っているように撮影できるシャッタースピードは分かり切ってる(笑)
これも普段から厚木基地のヘリを撮影しているおかげ。
椹島ロッジのオヤジ曰く、遭難者が出たけどガスってて行けないから、一旦隊員をここで降ろしているとのこと。
10:30 : 送迎バスに乗って駐車場へ
近くの温泉に入って帰宅。
もう山は真っ黒い雲に覆われてた。
何とか大雨になる前に林道を超えられて助かりましたよ。
帰りの新東名では、ゲリラ豪雨に襲われて、みんな徐行して走らざるをえない状況…。
標高ログ1日目
標高ログ2日目
標高ログ3日目
GPSログ地図
これで日本の3000mは全制覇。
次はどこへ登りにいこうかと…。