利尻富士



北海道の西側、直線が延々と続く日本海オロロンラインから対岸の利尻富士を眺めると、一度は登ってみたくなるものです。

日本百名山の本にも、島全体が一つの山を形成し標高1700mを超えるものは日本には利尻以外にないと書かれていますし。
(※屋久島は峰が連なっている、利尻は島全体が一つの頂点に引き絞られている)

私も8年前に、この見事な山の形を見て、いつか登るぞと密かに計画を進め、8年越しに登る事が出来ました。




※登山口の標高が210m、山頂1721m、標高差1500m以上を日帰りで登る必要があります。
 それなりの登山経験がないとキツイかと思います。
 トイレは無いので(野糞禁止)、携帯トイレ必須です。必ず持参してください。


8月5日

10:25  :  羽田空港
       
       10時25分、羽田発の稚内直行便で、いざ稚内へ。
       13時05分の便でも、最終便のフェリーに間に合うように連絡バスがあるのですが、万が一、飛行機が遅れたら、計画が全て破たんするので
       早く行って、稚内市内でゆっくりと昼飯であります。

       
       猪苗代湖あたりまでは見えていたのですが、そこから北は前線
       山形上空あたり、高度11000mまで届く積乱雲。
       (後で知ったのですが、山形はこの時大雨だったようで…)
       
       帰りの台風の中の羽田着陸より、この前線を超えた時の方が、飛行機の揺れは激しかったです。

       
       石狩湾をすぎたあたりから晴れだして、天売島と焼尻島。
       この島が見えたという事は、利尻島と礼文島も見えるハズ!!
       
       
       素晴らしい景色だ!!
       明日、あの頂に登るぞ!!
       
       
       稚内市内
       
       
       稚内市内越しの利尻富士
       旋回しながら高度を落として着陸であります。
       
       
       宗谷岬と宗谷丘陵の風車群
       
       
       アザラシと昆布で出汁之介(だしのすけ)とか…。
       なんて安易なネーミングなんだと笑ってしまいました(笑)
       
       
       稚内駅。
       以前来たときは工事中だったけど、
       凄く綺麗になったものだなと。
       
       
       昼飯を食べて、フェリーターミナルへ。
       道案内の標識もロシア語混じり。
       北の果てに来たのだなぁと。
       
       
       利尻に上陸した羆、まだ行方不明なのか…。
       
       
       あの船か!
       
       
       こんな大きなバスもバックで積み込みするのか…。
       
       
       ノシャップ岬と利尻富士。
       この時、灯台が縞模様なのを見て…。
       
       

       
       おお、
       やはり、陸から離れる船の上から、こういう明確な目標物を連続撮影すると、
       地球って丸いのだなと、実感できますよ。

       スマホしか持ってない周囲の人達には、
       アイツは何を必死に何も見えない海を撮影しているのだ??と思われていたかもしれませんが…。
       スマホの豆レンズでは、こんな写真なんて撮影しようがないから、仕方ないであります。

       
       もうすぐ入港ですな。
       ここまで近づくと、地形が明確に分かるので
       地形図と照らし合わせて、明日登る尾根を確認であります。
       
       
       利尻島上陸
       明日はあそこへ登るぞ!!


8月6日

4:25  :  ご来光!
       

       
       今日もいい天気だ!
       宿泊したペンションを4時30分に出発
       登山口まで送迎してもらいました。

4:40  :  登山口出発
       
       いざ出発!
       
       
       標準コースタイム、往復10時間
       う〜ん、流石標高差1500m越えの登山はハードですな。
       
       クマ、蛇などの危険生物はいません。と書かれているのに、
       「クマ」が塗りつぶされているのがなんだかなぁと…。
       もう出会ったらその時だと腹をくくるしかありません。

       
       甘露泉水
       北海道の山で堂々と生水が飲めるのはありがたい。
       利尻にはキツネがいないから、エキノコックスの心配をしなくていいですから。

5:40  :  五合目
       
       標高610m。雷鳥の広場
       (※利尻にライチョウはいません!)

       森林限界を抜けて、やっとGPSが測位できました。
       (帰りは樹林帯でもログが記録されているのに、何故に行きはここまで測位できなかったのか謎)

7:15  :  八合目
       
       標高1218m。長官山
       やっと山頂が見えました!

8:10  :  九合目
       
       標高1420m。ここからザレ場の急登らしい

       
       振り返ると、礼文島が綺麗に見えていますな。

       
       崩落地点

8:34  :  沓形コーストの分岐
       
       標高1580m。

       
       登山道が背丈以上にえぐられていますな。
       
       9合目より上は歩きにくくて時間がかかると書かれていましたが、
       この程度なら富士山を登っているようなものなので、私にとってはそこまで登りにくいとは…。

       
       やっと山頂が見えた!

8:55  :  山頂到着!
       
       標高1721m。

       みんなから、早いですねと言われましたが…。
       実際は標高350m〜400m/時のスピードを4時間維持しただけなので、早くはないです。
       
       利尻は累積で+1600mも登らないといけないから、ともかく最後まで体力を維持する事が大事。
       ゆっくり歩いて、1時間毎に必ずエネルギー補給する。
       それが結果的に、最初から飛ばしている人を追い抜く事になるから、早いと思われるだけですよ。
       (標高1721mしかないから、本州の3000m峰に登っている私にとって、空気が濃いってのも、
       スピードを維持できる要因ではありますが…。)

       

       
       翌日訪れた利尻博物館で、蝋燭岩は、昔、溶岩の火道だった場所だと解説されていました。

       
       記念撮影

       
       左は樺太から、右は大雪山まで見えている…。凄い…。

       
       樺太とノシャップ岬

       
       礼文と沓形岬

       
       1時間ほど山頂滞在して…。
       さて、高山植物を撮影しながらゆっくり下山するか!!
       イブキトラノオと蝋燭岩

       
       オニシモツケ

       
       アズマギク

       
       ミヤマコウゾリナ

       
       エゾノハクサンイチゲ

       
       イワギキョウ

       
       クルマユリ

       
       ハクサンシャジンとミヤマカラスアゲハ
       大きな蝶だなぁと思っていたら、翌日行った利尻博物館に標本が展示してあったので名前が分かりました。
       
       本州でも見かける花、見かけない花、色々あって面白かったであります。
       

11:00  :  避難小屋の携帯トイレブース
       
       あの椅子にトイレ袋をセットするのか…。
       
11:15  :  長官山
       
       ココから先は山頂が見えなくなるので見納め。
       またいつか(金と時間に余裕があったら)登りに来るぞ!!
       
13:10  :  下山
       山頂での1時間休憩含めて8時間半で往復であります。
       
       
       GPSログ

       
       ※登りはじめは標高600mの樹林帯を抜けるまで測位していません。
        下りの累積標高-1630mなので…。実質的に+1650mくらいが累積の登り標高ではないかと…。



       
       また、ペンションまで送迎してもらいました。
       さて、まだ夕飯まで時間もある事だし、自転車でも借りてサイクリングしてくるか…。
       
       
       今の季節に紫陽花とは…。流石北国。
       (ちなみに…。何も知らずにこの道を真っ直ぐ進んだら、行き止まりになってお墓と火葬場がありましたw)
        
       
       昆布を干している人々
        
       
       ペシ岬。
       ゴリラのような??
        
       
       登山したあとで、まだコレを登るのか!
        
       
       海面から92mまでまた登山しましたよ。
       我ながら、まだまだ体力ありあまっているなと(笑)
        
       
       フェリー乗り場に、バイクが沢山やってきたなぁとレンズを向けたら…。
       全部白バイじゃねぇかと…。
       天皇陛下はもうお帰りになられたのに、まだ島にこんなに警察がいたとは…。
        
       
       出航!
       ホント、海が綺麗だなぁと…。
       
       
       晩飯
       この時期が利尻に一番客が殺到するので、1泊の値段が通常期よりも2倍近く高いのですが…。
       その分、エゾバフンウニも飯で出てきて、単にボッタくっているワケではないので
       まぁいいのかなとも。
       エゾバフンウニの生がここまで美味しいものなのかとは、思いもしなかったです。
       (港でのウニ丼の価格が、そんなに量も多くないのに4500円でしたし…。宿で食べられて良かったですよ。)



8月7日

8:45  :  9:10の定期観光バスで島を一周であります。
       
       外気温21.9度
       38度で湿度も高い世界からしたら、ここは天国ですよ!!
       
       
       姫沼
       確かに逆さ富士にはなっているのですが…。
       もっと水が綺麗だったら…。
       
       
       
       
       天皇陛下が訪問されたオタトマリ沼
       山が雲に隠れてしまいました…。
       
       
       このあたりに羆が上陸したとか…。
       (島を時計に例えると5時の方角が上陸地点)
       こういう情報は地元の人でないと分からないから、定期観光バスに乗って良かったです。
       
       
       仙法志御崎公園
       アザラシの餌の販売所前でおこぼれをもらおうとしているカモメ
       
       
       アザラシのコンブとワカメ
       どっちがコンブでワカメなのかワカラン。
       
       帰りのバスの中で、ガイドさんが「コンブとワカメどうでしたか?」と客に質問投げかけたら
       どっかの子供が「美味しかった〜」とか答えたから笑ってしまいましたよ。
       ガイドさんもリアクションに困っていました。
       
       
       コンブなのかワカメなのかワカランけど、餌やり。
       
       
       利尻博物館
       さっきのは大きかったからオオセグロカモメですな。
       
       
       昔利尻へ渡った羆
       
       
       クマ岩だそうで
       

14:35  : 利尻をあとに
       
       いい島だったなぁと…。

       
       船に便乗してお前も稚内までいくのか??
       (気が付いたらいなくなっていました)

       ちなみに、足が黄色なので、コイツはウミネコであります。

       
       稚内にて、晩飯
       これで3700円。
       利尻の港で4500円も出してウニ丼食べるくらいなら、こっちの方がイイ



8月8日

       本来なら飛行機の時間ギリギリまでいろいろ探索したかったものの…。
       もしも台風で欠航したら、即次の手を打たないと帰れなくなるので、
       朝は駅で待機しておいて、新千歳行の時間に合わせて空港へ行くことに
       (欠航したら空席のある新千歳行にとりあえず乗るつもり)

       
       稚内空港

       
       羽田からの便が到着。
       ここに飛行機を放置するとは思えないから、
       例え台風の影響で羽田に着陸できなくても、どこかには飛ぶはず。
       これでとりあえずは、稚内から脱出できますな。

       というか、何故に稚内にFDAが??
       どうやら小牧行のチャーター便とのことで…。
       アレに乗せてくれ!!台風関係なく帰れるから!!
       と心の中で叫んでおりました。

       
       さらば稚内!
       これだけ霞んでいれば、今日はいい夕焼けが撮れそうなのに残念ではありますが…。

       仙台を過ぎたあたりから雲が出始めて…。

       
       台風のせいで雲の高さ500mくらい
       着陸寸前まで飛行機は雲の中でした。
       なんとか着陸!
       
       あとは、速攻で新幹線を予約して、台風が来る前に関東脱出しました。
       
       

今回は利尻山というたった一山を登るために、お金も時間もそれなりにつぎ込みましたが…。
たまにはこんな贅沢な時間の使い方をするのもアリだなぁと…。
大満足の旅でした!!


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